こんにちは、小法師です!

春と夏の楽しみのひとつに高校野球があります。「そろそろ甲子園の季節だね~」なんて言われたりもしていますね。

今まで当たり前のように思っていたのですが、ふと思ったことがあります。それは「高校野球で金属バットを使用する理由ってあるのかな?」ということです。

プロ野球の世界では、木製バットが当たり前なのに、高校野球では木製バットが禁止の規定でもあるかの如く、金属バットが使われています。

今回はその点について調べてみたいと思います。

早速いってみましょう!



高校野球で金属バットを使用する理由は?

高校野球で金属バットを使用する理由を調べてみました。

ネット上で金属バットを使用する理由として見られたのは「経済的な理由」と「飛距離の違い」でした。

経済的な理由で金属バットを使う

金属バットが導入された背景について、京都新聞社の記事に興味深い記述がありました。

4日(1974年) 日本高野連が金属バットの使用許可
 高校野球は木製バットを使っていたが、金属バットは木製より長持ちして、値段も安いため、使用の許可が発表された。3月25日から実施され、米国イーストン社製の製品に限った。しかし、製品が十分に出回っていないとして、選抜大会は除かれた。

「4日」とありますが、これは1974年3月4日のことです。「高校野球は木製バットを使っていたが、金属バットは木製より長持ちして、値段も安いため、使用の許可が発表された。」とありますね。

「木製バットに比べ、金属バットが長持ちして値段が安い」ということが導入に至った理由です。高校野球で各校利用できる費用には限界がありますから、折れにくい金属バットを使うというのは経済的に考えれば必然的なことなのかもしれません。

木製バットは折れることがよくあります。プロ野球の世界においても年間500~600本くらいの木製バットが折れているそうです。高校野球の場合、野球部に所属している親が支払っているであろう部費などによって練習用のバットやボールなどを購入することになります。

当たり前ですが、高校野球は学生にとってのビジネスではありませんから、試合に勝ったからと言ってお金が入るということはありません。折れるたびに購入しないとならない木製バットは学校からすれば経済的ではありませんよね。

バットの値段が高い?

バットの値段ですが、いくらくらいでしょうか。金属バットと木製バットの値段を調べてみました。

Amazonで金属バットを調べたところ、以下の値段が最安値でありました。1万円しないくらいですね。

同じくAmazonで木製バットを調べたところ、約4000円といったところでしょうか。

金額だけ見れば、金属バットが高くなりますが、木製バットの場合は、最悪な場合、買ったその日に折れてしまうなんていうことも考えられます。そうしたら、また追加補充しなければなりません。

そのことを考えると、木製バットよりも金属バット使うのは当たり前のことなのかもしれません。

こちらのtweetに「下手が打つと折れて破片が飛ぶし、折れればバットを買い替えなければならないので、経済的に採用できない。」とあるように、折れたバットは買い替える必要があってコストがかかってしまいます。

飛距離の違い

経済的な理由の他に金属バットと木製バットでは「飛距離の違い」があげられます。高校野球のようにトーナメント制の一発勝負においては、如何に点数を取るかということは大事なこと。

点数がなければ負けてしまいます。そのためには、木製バットのように「芯」に当たらなくても飛ぶ金属バットが優先的に使われる傾向があるようです。

「反発係数」という「物体にぶつかった時の跳ね返りやすさ」があります。これはバットの素材によって異なり、同じ速度の硬球が金属バットに当たった時と、木製バットに当たった時は金属バットの方が材質上、遠くに飛びます。

しかしながら、金属バットは反発係数が高いため、飛び過ぎてしまう傾向にあります。

プロ野球の筒香選手が、金属バットについて警鐘をならしていますね。

金属バットを使用する理由をみてきました。経済的な理由で金属バットの導入が許可され、いまでは飛距離に関する理由で金属バットを使用してることが多く見受けられます。

そもそも高校野球において木製バットが禁止の規定だとか、なにかしらルールがあるのか次の項目でみていきます。


木製バットが禁止の規定があるの?

結論としては、そういった規定・規程はありませんでした。

「公益財団法人日本高等学校野球連盟」(通称:高野連)のサイトを見ると、「高校野球用具の使用制限」というものがあり、そこには野球用具の使用制限が書かれており、バットについての規定も書かれておりました。

バット
木製の着色バットの使用を認める。ただし、使用できる着色バットは、日本アマチュア野球規則委員会運用基準によるものとし、以下の通りとする。
1)黒・ダークブラウン系、赤褐色系及び淡黄色系とする。
2)木目を目視できるものとする。
3)拙劣な塗装技術を用いていないものとする。(例えば、ボールに塗料が付着するなど。)
金属製バットは、「製品安全協会」のSGマークが付けられているものに限る。色彩は金属の地金の色、木製に近い色または黒とする。ただしプレイの妨げとなるような反射するものは認められない。木製および金属製バットの商標は次の通りとする。
(1)バットの先端部分にはバットモデルとバットの品名・品番・材種のみを表示するものとし、マーク類は表示できない。この表示の大きさは、バットの長さに沿って縦5センチ、横9.5センチ以内とする。但し軟式用バットの表示の大きさは縦8センチ、横28センチ以内とする。文字の大きさは縦、横とも2センチ以内でなければならない。
(2)握りに近い部分には、製造業者または製造委託業者の名称を含む商標を表示するものとし、この表示の大きさは、バットの長さに沿って縦6.5センチ、横12.5センチ以内とする。
(3)金属製バットで製造業者(日本高等学校野球連盟で使用認可の登録を受けた業者)の名称1、2項と別に表示する必要のある場合は、握りに一番近い部分に表示することとし、大きさはバットの長さに沿って、縦1センチ、横4センチ以内とする。ただし、軟式用バットはテーパ部にはリング等商標と認識されない印刷は認める。
(4)これらの表示は金属の地金の色または木製に近い色の場合は黒とし、本体が黒の場合は金属の地金の色または木製に近い色とし、すべて同一面の1ヵ所だけとする。
(5)グリップテープの色は、黒もしくは茶系とする。

いきなり冒頭から「木製の着色バットの使用を認める。」とありますね。つまり、高野連自体は木製バットについての使用を禁ずるなどは一切うたっておらず、むしろ「使用を認める」と宣言をしているんですね。

では、1974年以降の高校野球において実際に木製バットを使用されたことはあるのでしょうか。


過去に高校野球で木製バットを使用したことはあるの?

規程ではバットの使用についてルールは定められておりません。
1974年以降に金属バットが使われるようになりましたが、それ以降、木製バットが使われなくなったというわけではありません。実際に高校野球の試合において木製バットが使われたことがあるんです。

木製バットを使用した高校はどこ?

元メジャーリーガーのイチローさんの出身校でも有名な・愛知工業大学名電高校。

2012年3月29日に履正社との対戦で、木製バットが使用されました。その時の様子がスポーツ新聞「スポニチ」に掲載されていました。

センバツ2回戦 愛工大名電9-2履正社
(3月29日 甲子園)
愛工大名電の2番・松原がバントの場合は木製、強打の場合は金属とケースによって2本のバットを使い分けて勝利に貢献した。

木製を使用した初回無死二塁の第1打席で投前バント安打を成功させると、3回無死二塁でも三塁前に絶妙の犠打を決めて先制機を演出。素振り用に持参していたメープル素材の「相棒」で存在感を示し、「木の方が打球の勢いを殺せるので」と胸を張った。

素振り用に持参していたメープル素材の木製バット。「木の方が打球の勢いを殺せるので」という理由でこの試合で初めて木製バットを使用したそうです。

また、2012年だけでなく2015年の夏の高校野球大会に出場した時にも木製バットを使用して話題になりました。

2015年7月28日のtweet。「愛工大名電、またも木製バットを使用する」とありますね。

このように、木製バットを使用しても試合が中断するということもなく、結果として金属バットと使い分けることで勝利に貢献したという事例ですね。

プロ野球で大活躍した名選手も使用

1974年に金属バットが導入された時は、使用していた選手は全体の6割程度だったそうです。残り4割は木製バットを使用していたわけですが、その中のひとりにプロ野球で大活躍した名プレイヤーの篠塚和典さんがいらっしゃいます。

木製バットを使用していた理由が明確で、そのことについて語っている記事がありますので紹介しますね。2015年6月25日に日刊スポーツが掲載した記事になります。

 野球を変え、球場を変えるほど、金属バットのインパクトは絶大だった。甲子園に初めて導入された74年夏は計11本塁打。当時はまだ金属バットが登場したばかりで、使用した選手は全体の約6割ほど。木製を使い続ける選手もいた。

 そんな1人が、優勝した銚子商(千葉)の4番篠塚和典(当時利夫)だった。

 篠塚 プロに行くことを意識していたから。自分の打撃はガツンというタイプじゃない。力のあるバッターじゃないから、木のしなりを使いながらバットにボールを乗せる感覚というかね。そういう打撃が金属では全く出来なかったから。

篠塚さんの「木のしなりを使いながら打撃をするスタイル」と金属バットの相性が合わなかったようですね。なによりもプロ野球の世界を意識し、自己分析の上、木製バットを使い続けていたというのがプロの世界でも結果を残せた理由ではないでしょうか。


高校野球で金属バットを使用する理由などに関するまとめ

高校野球で金属バットを使用する理由は「経済的な理由」「金属バットと木製バットの飛距離が理由」の違いの2点が挙げられます。

経済的な理由に関して言えば、各学校においては利用できる予算がありますから、折れやすい木製バットを使い続けていくのは費用面で困難ですから、金属バットを使っていくしかありません。

飛距離の違いに関しても、反発係数の高い金属バットの方が飛ぶということがわかりました。

実際に、高野連において木製バットを禁止する規定・規程があるわけでなく、むしろ木製バットを使ってもよいという規程を打ち出しています。

高校野球からプロ野球の世界に進む選手もいます。金属バットから木製バットに変わることによって、高校野球ではいちりゅだった選手がバットに馴染めず打てなくなってしまうケースもあるようです。

「プロでも活躍できる選手を増やすためにも、高校野球でも木製バットを必須にしよう!」という考えもあるかとは思いますが、学校が野球部の運営主体である限り、予算の制限があるなかでは、まだまだ難しい問題ではないかと思います。

今回は以上となります。

お読みくださり、ありがとうございましたm(__)m